ビビり毛って直るの?縮毛矯正失敗した髪の毛を元に戻せるかウィッグを使って実験してみた

 

ビビり毛って直るの?縮毛矯正失敗した髪の毛を元に戻せるかウィッグを使って実験してみた

 

今回は半分美容師さん向けの記事でもあるのですが、興味がある方は読んで頂ければ幸いです。

 

ビビり毛とはなにか?

 

一般的にビビり毛とは薬剤や熱によるダメージで髪の毛がチリチリした状態のことを指します。

 

くせが強い方やエイジング毛で髪の毛の形が変わってきてもお客様自身がビビり毛だと思われる事もありますがそういった髪の毛はくせ毛でありビビり毛ではありません。

 

本当にビビり毛になってしまった髪の毛を完璧に元の状態に直すことはできないので縮毛矯正やヘアカラー、ブリーチをする場合はお客様の髪質や今後のヘアスタイルに関して、普段のお手入れ方法などよくカウンセリングしてから施術に移りましょう。

 

ビビり毛になる原因

 

縮毛矯正の失敗

個人的にはビビり毛になる原因で1番多いのが縮毛矯正の失敗だと思います。

髪質に合わない過度なアルカリを使用したり、クセを伸ばす際のアイロン温度が高すぎるとビビり毛に繋がります。

その他にも酸熱トリートメントをした髪の毛に酸性領域で還元剤を使用してもビビり毛になる場合もあります(✳︎美容師さんは本当に注意しましょう!)

現代の縮毛矯正や髪質改善の薬剤は沢山の種類があり、様々な美容院で多種多様な施術を受けるお客様も増えてきています。

アルカリだからビビり毛になるとか酸性だからビビり毛になると一言では言えないのが現状です。

失敗しない為に僕も含めて美容師はしっかり学び、お客様は信頼できる美容院、美容師さんを見つけられたら幸いです。

 

パーマの失敗

パーマでの失敗もアルカリや酸、熱によるダメージなど、縮毛矯正と似た様な場合が多いです。

お客様の髪の毛の状態に関して誤った薬剤選定や施術工程を踏んでしまうとビビり毛になってしまいます。

今までのパーマや縮毛矯正、カラーリングの履歴普段とアイロンの使用頻度などを踏まえて的確な施術が必要になってきます。

縮毛矯正をしている髪にパーマをかける際は今の状態とパーマをかける際のリスクなど、お客様としっかりカウンセリングで共有してから施術に移りましょう。

 

カラーの失敗

カラーリングでビビり毛になる場合は、ハイトーンのカラーをし続けて髪の毛の限界がきた時にチリチリになります。

髪の毛を明るくするカラー剤にはアルカリが含まれることが原因です。(アルカリが入っていないと髪の毛は明るくなりにくいので悪い事ではないですよ。)

ブリーチを使用したヘアカラーやカラー剤にもよりますが12トーン以上のカラーリングをする場合、カラー剤によるアルカリダメージは大きくなります。(2液の過酸化水素水のパーセンテージを変えることで減力する事も可能なので上手に使いましょう)

 

ヘアアイロンでの熱ダメージ

くせ毛が気になるお客様はドライヤーでブローしたり、ヘアアイロンやコテを使ってスタイリングされる方が多くいらっしゃいます。

ご来店時には綺麗にスタイリングされていて気づかなくても普段のヘアセットで髪の毛が熱によりとてもダメージしている場合もありますので、カウンセリングの際に髪の毛をしっかり見て、触って判断しましょう。

*ご来店時髪の毛の状態の判断が難しい場合、時間はかかりますが一度シャンプー代で全体を濡らして乾かしてみると履歴がわかりやすいです。

 

ビビり毛は直せるのか?

 

ビビり毛が自然に治ることはないですが、髪の毛の状態により直すことは可能です。

今回の場合は大方直りました。(ビビり毛よりだいぶましになった感じです)

実験ではウィッグを使いサイドの部分を3回縮毛矯正してやっとの思いでビビらせました。

当店では高アルカリの縮毛矯正剤は使用していないので、PH8.0アルカリ度1.6、還元剤チオグリコール酸メインの薬剤でアイロン温度180度で3回も縮毛矯正の工程を行わないとビビり毛をつくれなかったです。(なるべく自然なビビり毛を作りたかったのでこういった工程にしました)

1液30分放置→流し→アイロン180度→過酸化水素2液1.5%の工程×3回です。

 

縮毛矯正剤のアルカリ&熱ダメージによるビビり毛直し

 

実際にビビり直しの工程をご紹介させて頂きます。

 

縮毛矯正を3回繰り返してビビリ毛にしたウィッグ

 

 

今回はアルカリ縮毛矯正を3回繰り返してビビり毛をつくりました。

お客様の髪の毛の場合、カラーやパーマ縮毛矯正やアイロンやコテの熱ダメージなどを考慮しないと簡単にビビり毛に繋がる事もありますが、ウィッグをビビらせるのは結構大変でした。

 

薬剤を塗布する前にビビった毛を濡らした状態

 

 

ビビり毛の特徴としてアルカリダメージを受けているので濡らすと柔らかく真っ直ぐな状態になります。

引っ張ると伸びたり切れるのでテンションはかけず優しくコームで梳かしましょう。

 

前処理してスピエラクリームで還元

 

 

セラック、エルカラクトン、低分子活性ケラチンで前処理し、ダメージした髪の毛を補強しつつスピエラで還元していきます。

10分おきに髪の毛の状態をチェックしてザラザラ感がなくなったら流します。

チェックの方法は縮毛矯正と同じですが、ダメージしている髪の毛は変化も早い場合があるのでこまめにチェックしましょう。

今回は35分で流しました。

 

ツインブラシでウエットの状態からブロー

 

 

1液を流して濡れた状態からツインブラシでブローして、熱が足りなそうだったので150度のアイロンで軽くスルーしました。

ここで熱を入れすぎたり、テンションをかけすぎたりするとよりビビりが酷くなるので慎重に扱います。

 

2液の過水をつけてドライ

 

 

2液の過酸化水素水をつけて流しキトサン、低分子活性ケラチン、エルカラクトン、トリートメント後に乾かした状態です。

縮毛矯正をかけた時のような艶感は有りませんがチリチリ感はだいぶましになりました。

 

 

どこまで直せるかわからなかったのですが、ここまで戻ればビビり毛よりは全然ましかと思います。

 

ビビり毛はホームケアも大切

 

 

ビビり毛は髪の毛の中も外もぐちゃぐちゃになった状態です。

今回は内部補充と還元剤を使ってましな状態にしましたが、シャンプーをすると内部補充した成分が流出し、またビビり毛に戻ってしまいます。

ビビり毛直しは一時的な修復でしかありません。

本当は切った方が良いけど、切ったらヘアスタイルが成り立たない場合の最終手段。

なので、ビビり毛を修復した髪の毛を維持する為にはシャンプーをする度に流出する成分を補う必要があります。

お金も時間も手間もかかり大変ですが、何よりホームケアが大切です。

 

お客さまをビビり毛にさせない為に気をつけること

 

 

今回はウィッグでビビり直しの実験を行いましたが一番はビビリ毛にさせないことが大切です。

髪の毛は一度ダメージを受けたら元の状態に戻ることはありません。

カラーやパーマでの薬剤ダメージ、アイロンやコテでの熱ダメージ、これらのダメージの蓄積の延長線上にビビり毛があります。

お客様の髪質や履歴に対して無理な施術は避けましょう。

15年以上美容師をしてきた中で、僕自身もお客様の髪の毛をビビらせてしまったことがあります。

その時は最善の策で精一杯、ヘアスタイルを通して喜んでいただきたいという気持ちで担当させていただいているのでめちゃくちゃ反省しますし落ち込みました。

ですが、同じ失敗をしないために、色々試行錯誤する中で美容師としての成長がある。

そういった経験を糧に知識をつけて練習し、技術や知識の幅を増やしお客様のご要望に応えることができています。

ここまで読んでいただいた方は少なからずビビり毛に対しての興味がある方かと思いますので

まだまだ僕自身も勉強中ですが、ご質問等あればお気軽にご相談ください。

一緒に成長していきましょう。

 

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